パッケージ&ラッピング - 包装容器の専門家

 小売店やスーパーの生鮮食品、弁当、惣菜、仕出し弁当、ケータリングなどでは、今やプラスチック容器が全盛です。食品に直接触れるものですので、内容物と材質別の規格や、内部の洗浄(または同等の熱処理)など、安全面についての規定もあります。 

 プラスチックトレイやカップはポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、PETなどそれぞれの材料の特徴(使用温度や保温性、耐油性、透明度など)を生かして作られています。

 刺身、寿司、弁当、惣菜、カレー、フルーツなどそれぞれ中に入れる食品別に最適な材料を選択して提供されています。

 ここでは、取り扱う商品の温度や鮮度、風味などせっかくの商品の価値を落とさないようにするための基礎知識として、プラスチック材料ごとの特徴を紹介します。

 プラスチック容器材料の種類と特徴

ポリスチレン容器

 OPS 二重延伸ポリスチレン  ポリスチレンシートをタテ、ヨコ二方向に延伸し、シートに配向を与えることによって強度を増したものでガラスのような透明感があり、「OPS容器」とも呼ばれます。
 HIPS 耐衝撃性ポリスチレン  ハイインパクトポリスチレン(HIPS)とも呼びます。衝撃に強く、乳白色で半透明の容器です。
 PSP  発泡スチロール  ポリスチレンペーパー(PSP)とも言い、ポリスチレンを発泡させて作られた食品容器です。
プラスチックの泡(容積の95%が空気)で出来ているので、外観は白色です。
軽くて丈夫で、クッション性があります。発泡プラスチックであるため熱を伝えにくく、食品の保存性に優れています。

 ポリプロピレン容器

PP ポリプロピレン  ポリプロピレン(PP)を原料にした半透明の容器で、曲げても割れにくく、熱や油に強い特長があります。
 PPF フィラー入りポリプロピレン  ポリプロピレン(PP)を原料とし、これにタルクなど無機物を配合した容器です。
熱に強い特長があり、油分を含んだ食品を温めるような用途にも適しています。
発泡PP 発泡ポリプロピレン  ポリプロピレン(PP)を発泡させた容器です。曲げても割れにくく、熱や油に強いほか、発泡させてあるので、温かい食品をのせても手で持つことが出来ます。

 PET(ポリエチレン・テレフタレート)容器

 A-PET  非晶性ポリエチレンテレフタレート(A-PET)は、透明性が高く、耐油性、成型加工性、耐薬品性にも優れています。ただし、耐熱性は他のプラスチック食品容器よりも低いので、熱のかかる用途へのご使用は避けて下さい。
 C-PET  結晶性ポリエチレンテレフタレート(C-PET)は結晶性を利用して成形品としたものです。A-PETとは異なり耐熱性(220℃まで)が高く、調理済み食品の電子レンジによる再加熱用容器として適しています。
発泡PET  発泡PET容器は、PET樹脂を結晶化することによって最高220℃の耐熱性を実現しています(C-PET)。このため、電子レンジはもちろん、業務用焼成ラインにも使用できる耐熱食品容器としてお使いいただけます。

バイオプラスチック容器

 トウモロコシなどの植物由来  植物などを原料としており、微生物によって最終的に二酸化炭素と水に分解されること、塩素を含んでいないこと、燃やした場合燃焼温度が紙と同じ程度といった点が普通のプラスチックと異なっています。

全国プラスチック食品容器工業組合HPの情報を参考にして加工したものです。

 更に専門的な内容についてご質問・ご相談は、先ずはヤマシタまでご連絡ください。ヤマシタのネットワークを活用してお客様の問題解決に協力させていただきます。

鮮度保持剤各種

食品を劣化から守る上で、包装は製造・流通事業者はもとより消費者にとって重要な役割のひとつです。商品変質の要因としては細菌やカビ、酸素、紫外線、虫などがあります。

 保管や流通時の微生物などによる劣化防止には、酸素や水分の通りにくい(バリア性の高い)包装材料を用い、加熱殺菌や冷凍・冷蔵などの処理が行われたり、化学的な劣化防止を取り入れた酸素が通りにくい包装や紫外線を遮断する包装が行われたりします。

 品質・鮮度保持効果を高めるための手段としては、色々な技法が用いられますが、ここでは道かで効果的名方法として「脱酸素剤」「乾燥剤」「抗菌剤」を取り上げて、特徴や用途、使用方法などを解説します。

 脱酸素剤
特徴 ・ 鉄粉、L-アスコルビン酸、活性炭などを通気性の良い小袋に入れたもの。
・ 化学反応を利用して酸素を吸収。酸素に起因する品質劣化原因の根絶が可能。
・ 反応が穏やかで持続性がある(反応速度には種類がある)。
・ 食品には直接触れないので、風味保持、安全性の点で食品添加物より有利。
・ 包装内に残る酸素、包装外から進入する酸素を継続的に除去可能。
・ 封入するだけなので、簡単・低コストである。
効果 食品では:
・ カビ・変色・腐敗・酸化などから食品を守り、害虫発生防止にも効果がある。
・ 商品品質保持期間が長くなる。
・ 返品、クレーム発生のリスクが軽減される。
・ 生産計画、在庫保持計画が柔軟になる。
・ 特別な設備投資が不要(食品個装容器・袋への封入のみ)。
電子部品ではサビ防止になる。
医薬品の場合は薬効成分が酸化劣化するのを防止する。
使用方法
 1.密閉度(ガスバリア性)の高い容器・包装材を用意  2.商品形態と包装内酸素容量を求めて、脱酸素剤のタイプとサイズを決定  3.ヒートシール機などで完全密封する
種類
水分依存型 商品から蒸発する水分に触れて酸素吸収を開始するタイプ
切り餅、生麺、味噌、ドラ焼き、珍味、一夜干し、炊飯米など
耐水性、耐油性、電子レンジ対応タイプなどがある
自己反応型 ・ 脱酸素剤自体に水分を含み、空気に触れると酸素吸収を始めるタイプ
・ 耐油性、香り保持特性に優れ乾燥剤との併用可能なものがある
速効タイプ ・ 傷みの早い食品向け(鮮魚切り身、饅頭、カステラ、マドレーヌ、半生菓子、ピザなど)。
・ 酸素検知剤一体タイプもある。
汎用タイプ ・ 中〜高水分食品向け: ドーナツ、ブランデーケーキ、サラミ、米菓、ナッツ、煮干など
・ 低水分食品向け:コーヒー、お茶、おかき、乾燥野菜、海苔など
有機系
自己反応型
金属探知機の検出感度が低いタイプ
酸素吸収タイプ ハム、ソーセージ、菓子など包装材の収縮を構わない商品
炭酸ガス発生タイプ 豆菓子、煮干、米菓、饅頭、カステラなど包装材の収縮を防止したい商品
 乾燥剤

特徴 乾燥剤は包装内の酸素の吸収により鮮度保持をする脱酸素剤とは異なり、包装内の水蒸気を吸着し湿度を低く保つことで、食品などが湿るのを防ぐもの 効果 湿気を取り除き、水分を一定以下に保つことで、品質が劣化する製品や食品の商品価値を一定期間維持することができる。 使用方法 乾燥剤の吸湿能力、包装内外の平均湿度や包装材の表面積、透湿度、平均気温などを勘案して(JIS Z 0301「防湿包装方法」)使用量を決定する。 種類シリカゲル原料二酸化ケイ素(SiO2) 特徴 ・ 吸湿しても化学的に極めて安定で外観変化も無い。
・ 食品添加物にも指定され安全性が高い。 用途 食料品、医薬品、電子機器、輸送用コンテナなど広範囲。 種類 ・ 粒状、粉末、錠剤、シートタイプなどがある。
・ シリカゲルの包装には、食品用のPETフィルム製のものや、輸送梱包などに用いる不織布のものなど目的に応じて選択できる。 その他 ・ シリカゲルに入っている青い粒は吸湿能力を示すインジケータで、吸湿するとピンクに変わる。
・ 吸湿したシリカゲルをフライパンや電子レンジで加熱すると旧出力が回復する(ピンクの粒も青色に戻る)。
・ 毒性がなく、腸管吸収もされず自然排泄されるので、間違って口にしても心配ない。 生石灰 原料 酸化カルシウム(CaO) 特徴 ・ 吸湿により膨張し、水と反応すると高熱を発生する。
・ 有害成分は含まれていない。 用途 ガス吸着力がないので、香りを大切にする食料品に使用(おかき、海苔など)。 種類 耐水性紙または耐油性紙の小袋包装。 その他 ・ 生石灰は吸湿により消石灰に化学変化するので、再生利用はできない。
・ 水分により生石灰は消石灰になり、さらに水分があると強いアルカリ性を示すので、口や目などの粘膜に付着した場合は、すぐに洗い流し、医師の診断を受ける。 その他 クレイ系(二酸化ケイ素、アルミナなど) 塩化カルシウム系(CaCl2)

特徴 ・ 天然抗菌剤はワサビやカラシなどに含まれるアリルカラシ油という揮発成分を利用して食中毒菌や、腐敗細菌、カビ、酵母などを殺菌・静菌するもの。
・ わずかな量で効果を発揮するので、食品の香りや味への影響が少ない。
効果 ・ 食品の日持ち向上、鮮度保持、食中毒回避に役立つ。
・ 穀物害虫の防除や野菜、果物、切花などの鮮度保持にも効力を発揮する。
種類・使用方法

・ 料理の上に置いたり、バランとして使用できるシートタイプ。
・ 包装材の外側または容器フタなどの内側に貼るラベルタイプ。
・ 漬物調味液などに添加するパウダータイプ、エマルジョンタイプ。
・ 食品棚などに置いて、ハエなどの害虫避けにはカセットタイプ。

 加工食品の鮮度保持は殺菌方法や包装材料、鮮度保持剤など多くの要素を効果的に組み合わせないと、せっかくのコストが無駄になる場合が多くあります。

 ヤマシタは、包装資材の老舗商社としての経験や協力企業との連携により、お客様の商品に最適なパッケージングをご提案いたします。

 食品パッケージ、鮮度保持、ラミネート包装などに関するお問い合わせはヤマシタへ

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 ラッピングとパッケージングは、古代からモノのやり取りをするうえで不可欠のものです。

 古くは、動物の皮や土器、植物の皮や植物の葉による包装に始まり、紙や陶磁器、ガラスなど、人間はその進化とともに、ラッピングやパッケージングも進化させてきました。

 現代では、石油を原料にした多様なプラスチック材料やそれらをベースにした複合材料が、高度な商品の保護や鮮度保持機能を実現する目的で開発されています。

 多くの種類の材料やパッケージ方法の中から、その商品に最も適した組み合わせを選ぶためには、専門的な知識が必要です。

 ここでは、それらの包装材料や包装に求められる機能の中から、今すぐに役に立つ情報を掲載しました。

包装の歴史 → こちらをクリック

包装に関する基礎知識 → こちらをクリック

プラスチックトレイ・カップ用材料の種類と特徴 → こちらをクリック

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食品につき物の鮮度保持に関する情報 → こちらをクリック

 ヤマシタでは、ここにご紹介する内容以上の専門的な知識を、取引企業の知識・経験ベースと併せてご提供可能です。

 奥能登におけるあらゆる業種、店舗、行事、風習に最適な容器や包装紙などを、お客様のご都合に合わせてご提供いたします。

 スーパーや商店、ホテル・旅館、農水産物加工、朝市など事業規模の大小にかかわらず、 お問い合わせください。

 日本の伝統的包装(パッケージング)について

 日本古来の包装と言えば、木や竹の皮、わら、なわ、木の葉などの素材を手で加工したものが用いられていました。

 包装という言葉を広く捕らえると、かめやつぼなどの陶器や樽(たる)、桶(おけ)なども古くから用いられていましたし、木箱やつづら、行李(こうり)なども物の保管や輸送に使われていました。

 近年その価値が見直されている風呂敷も、古くからの日本の伝統的包装用具です。

朴葉(ほうば)

ほう葉は今では珍しい

ほう葉めし

ほう葉めし(緑色のきな粉)

竹製のざる

ざるも古くからの容器

 カシワの葉や塩漬けにした桜の葉で餅を包むと香りが良くなることや、ササの葉の防腐効果も古くから知られており、伝統食品にも植物の葉で包む事例が全国的に多く見られます。

 奥能登でも、田植えの時期に程よく大きくなったほう葉にきな粉を掛けたご飯を包んで、タバコ(休憩)のときに、ほう葉の香りを楽しみながら飯をほうばったものです。

 日本には、こうした自然の素材を使った包装(ラッピング)が、現在でも残っています。 「ちまき」は餅やもち米を笹の葉で包んだものですし、肉などの食品の包装具である「経木」(スギやヒノキを薄く削ったもの)も最近はエコの観点から見直されつつあります。

 包装の機能の進化について

 その昔は、包装といえば食料の貯蔵、小分け、運搬が主な目的でしたが、現代においてもその基本的機能に変化はありません。 材料としては、ガラスや金属が使われるようになり、現代では色々な研究の末、プラスチックが包装全体の主役になっています。

◎包装に求められる基本機能は下表のように多様かつ高度なものになっています。

 包装の機能要件
内容物の保護 ・破損、変形、温度、湿気、水分からの保護。
・酸化、光劣化、腐食、臭気、化学物質による作用からの保護。
・微生物、虫、ねずみなどの生物的要因からの保護。
・いたずら、犯罪、誤用など人為的要因からの保護。
取扱いの便利さ ・流通上の利便性(持ち運びしやすい、仕分けしやすい、保管しやすい)。
・販売上の利便性(並べやすい、見分けやすい、売りやすい単位)。
・消費上の利便性(開封・再封機能、携帯性、長期保存、インスタント調理)。
・バリアフリー、ユニバーサルデザインへの配慮。
商品情報の提供 ・商品識別・アピール(商品イメージ、ブランドイメージの訴求、利用シーンの提案など)。
・食品衛生法、JAS法、景表法に基づく表示
 名称、品名、食品添加物、原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、製造者、原産国、成分表示、使用上の注意、調理方法など。
・薬事法に基づく表示
 有効成分の名称・分量、効能、用法、用量、使用上の注意、PL法対応取扱い上の注意など。
・パーコード、荷扱上の注意、ケアマーク、開封・開梱方法
・使用包装の材質、廃棄方法など
 

◎包装に求められる基本機能のほかに、現代社会では安全性や環境への配慮など、包装が当然に備えておかなければならない事柄もたくさんあります(下表参照)。

 包装の具備要件
安全・衛生性 ・各種法規制・規格等への適合(食品衛生法、薬事法、各種業界自主規制、乳等省令など)。
・人体安全性の確保および注意事項の表示(PL法対応)。
・衛生性の確保(微生物、臭気、異物、防虫・防鼠、GMP・HACCEP対応、軟衛協自主基準認定など)。
・トレーサビリティ対応(製造記号、工場表示、ICタグなど)。
社会・環境性 ・循環社会の構築に沿った包装として省資源、省エネ、リサイクル、廃棄物処理などへの配慮がなされれていること。
・法律や条令に基づく材質表示、廃棄方法などの表示。
生産適正 ・包装作業適性(包装作業のしやすさ、包装機械への対応など)。
・供給の安定性が質・量ともに確保されていること。
経済性 ・包装資材として機能や要件にあったコストであること。
・工業所有権(製法・材料・意匠などの登録やライセンス等の要件確保。
  •  包装には、内容物である商品(食品やその他の製品)の性格をふまえつつ、緩衝材や乾燥剤、脱酸素材などの副資材を組み合わせて、これらの要件を満足する必要があります。
  • ヤマシタは、パッケージ材料選定に始まり、パッケージデザインやロゴラベル、商品表示ラベルなど、お客様にの商品内容・ご要望に最適なパッケージをご提案させて頂きます。
  •  店舗用・弁当用プラスチック容器はどのようなものでもご用意いたします。 製品パッケージのデザインや商品ラベルにつきましてもコンサルティングも含めて幅広くご提案いたします。詳しくは「商品デザインで差をつける」ページもご覧ください。

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