鮮度保持剤各種

食品を劣化から守る上で、包装は製造・流通事業者はもとより消費者にとって重要な役割のひとつです。商品変質の要因としては細菌やカビ、酸素、紫外線、虫などがあります。

 保管や流通時の微生物などによる劣化防止には、酸素や水分の通りにくい(バリア性の高い)包装材料を用い、加熱殺菌や冷凍・冷蔵などの処理が行われたり、化学的な劣化防止を取り入れた酸素が通りにくい包装や紫外線を遮断する包装が行われたりします。

 品質・鮮度保持効果を高めるための手段としては、色々な技法が用いられますが、ここでは道かで効果的名方法として「脱酸素剤」「乾燥剤」「抗菌剤」を取り上げて、特徴や用途、使用方法などを解説します。

 脱酸素剤
特徴 ・ 鉄粉、L-アスコルビン酸、活性炭などを通気性の良い小袋に入れたもの。
・ 化学反応を利用して酸素を吸収。酸素に起因する品質劣化原因の根絶が可能。
・ 反応が穏やかで持続性がある(反応速度には種類がある)。
・ 食品には直接触れないので、風味保持、安全性の点で食品添加物より有利。
・ 包装内に残る酸素、包装外から進入する酸素を継続的に除去可能。
・ 封入するだけなので、簡単・低コストである。
効果 食品では:
・ カビ・変色・腐敗・酸化などから食品を守り、害虫発生防止にも効果がある。
・ 商品品質保持期間が長くなる。
・ 返品、クレーム発生のリスクが軽減される。
・ 生産計画、在庫保持計画が柔軟になる。
・ 特別な設備投資が不要(食品個装容器・袋への封入のみ)。
電子部品ではサビ防止になる。
医薬品の場合は薬効成分が酸化劣化するのを防止する。
使用方法
 1.密閉度(ガスバリア性)の高い容器・包装材を用意  2.商品形態と包装内酸素容量を求めて、脱酸素剤のタイプとサイズを決定  3.ヒートシール機などで完全密封する
種類
水分依存型 商品から蒸発する水分に触れて酸素吸収を開始するタイプ
切り餅、生麺、味噌、ドラ焼き、珍味、一夜干し、炊飯米など
耐水性、耐油性、電子レンジ対応タイプなどがある
自己反応型 ・ 脱酸素剤自体に水分を含み、空気に触れると酸素吸収を始めるタイプ
・ 耐油性、香り保持特性に優れ乾燥剤との併用可能なものがある
速効タイプ ・ 傷みの早い食品向け(鮮魚切り身、饅頭、カステラ、マドレーヌ、半生菓子、ピザなど)。
・ 酸素検知剤一体タイプもある。
汎用タイプ ・ 中〜高水分食品向け: ドーナツ、ブランデーケーキ、サラミ、米菓、ナッツ、煮干など
・ 低水分食品向け:コーヒー、お茶、おかき、乾燥野菜、海苔など
有機系
自己反応型
金属探知機の検出感度が低いタイプ
酸素吸収タイプ ハム、ソーセージ、菓子など包装材の収縮を構わない商品
炭酸ガス発生タイプ 豆菓子、煮干、米菓、饅頭、カステラなど包装材の収縮を防止したい商品
 乾燥剤

特徴 乾燥剤は包装内の酸素の吸収により鮮度保持をする脱酸素剤とは異なり、包装内の水蒸気を吸着し湿度を低く保つことで、食品などが湿るのを防ぐもの 効果 湿気を取り除き、水分を一定以下に保つことで、品質が劣化する製品や食品の商品価値を一定期間維持することができる。 使用方法 乾燥剤の吸湿能力、包装内外の平均湿度や包装材の表面積、透湿度、平均気温などを勘案して(JIS Z 0301「防湿包装方法」)使用量を決定する。 種類シリカゲル原料二酸化ケイ素(SiO2) 特徴 ・ 吸湿しても化学的に極めて安定で外観変化も無い。
・ 食品添加物にも指定され安全性が高い。 用途 食料品、医薬品、電子機器、輸送用コンテナなど広範囲。 種類 ・ 粒状、粉末、錠剤、シートタイプなどがある。
・ シリカゲルの包装には、食品用のPETフィルム製のものや、輸送梱包などに用いる不織布のものなど目的に応じて選択できる。 その他 ・ シリカゲルに入っている青い粒は吸湿能力を示すインジケータで、吸湿するとピンクに変わる。
・ 吸湿したシリカゲルをフライパンや電子レンジで加熱すると旧出力が回復する(ピンクの粒も青色に戻る)。
・ 毒性がなく、腸管吸収もされず自然排泄されるので、間違って口にしても心配ない。 生石灰 原料 酸化カルシウム(CaO) 特徴 ・ 吸湿により膨張し、水と反応すると高熱を発生する。
・ 有害成分は含まれていない。 用途 ガス吸着力がないので、香りを大切にする食料品に使用(おかき、海苔など)。 種類 耐水性紙または耐油性紙の小袋包装。 その他 ・ 生石灰は吸湿により消石灰に化学変化するので、再生利用はできない。
・ 水分により生石灰は消石灰になり、さらに水分があると強いアルカリ性を示すので、口や目などの粘膜に付着した場合は、すぐに洗い流し、医師の診断を受ける。 その他 クレイ系(二酸化ケイ素、アルミナなど) 塩化カルシウム系(CaCl2)

特徴 ・ 天然抗菌剤はワサビやカラシなどに含まれるアリルカラシ油という揮発成分を利用して食中毒菌や、腐敗細菌、カビ、酵母などを殺菌・静菌するもの。
・ わずかな量で効果を発揮するので、食品の香りや味への影響が少ない。
効果 ・ 食品の日持ち向上、鮮度保持、食中毒回避に役立つ。
・ 穀物害虫の防除や野菜、果物、切花などの鮮度保持にも効力を発揮する。
種類・使用方法

・ 料理の上に置いたり、バランとして使用できるシートタイプ。
・ 包装材の外側または容器フタなどの内側に貼るラベルタイプ。
・ 漬物調味液などに添加するパウダータイプ、エマルジョンタイプ。
・ 食品棚などに置いて、ハエなどの害虫避けにはカセットタイプ。

 加工食品の鮮度保持は殺菌方法や包装材料、鮮度保持剤など多くの要素を効果的に組み合わせないと、せっかくのコストが無駄になる場合が多くあります。

 ヤマシタは、包装資材の老舗商社としての経験や協力企業との連携により、お客様の商品に最適なパッケージングをご提案いたします。

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